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新人の離職率・離職理由 

2021-02-05

志し新たに、新人たちは職場に初出勤。

私の時代は、新人看護師に対する先輩看護師からのきつい言葉、時間外勤務の強要、医者からのセクハラ、飲み会の強要、学習会参加の強要。が当たり前でした。

泣きながら帰って、泣きながら出勤する。同期が同じ勤務の日だけが救い。標的にされ、「なんで?」「どうして?」「ダメでしょ。」「まだやってるの?」「教えたよね?」「給料もらってるんだからできるよね?」を何度言われたかわからない・・・・。今でいうパワハラが普通にありました。

この歳になると、早く仕事を教えたい一心だったんだろうな。でも、あんな指導の方法しかなかったのかな?と考えます。

「怖い・・。」何をするにも自信がなくびくびくしている。こんな感じで看護師として患者さんに優しくできない。「私は看護師に向いていない。」

と決めつけ考えたものです。

新人の離職は看護師に限ってではないようですが、専門分野なのでお伝えします。

 

  一年目看護師離職率

2011年 7.5%
2012年 7.9%
2013年 7.5%
2014年 7.5%
2015年 7.8%
 ちょっと古い資料ですが、新人看護師の離職率は、だいたい7.5%~7.9%の間で横ばいの傾向にあります。10年ほど前には9%を超えていたことを考えると、新人看護師研修プログラムなどの取り組みが、一定の効果があったことが読み取れます。
とはいえ入職も間もない新人看護師が、7.8%も1年目で離職するという現実は決して軽視すべきものではありません。ある程度の経験を積んだ看護師とは違い、まだ経験も浅く実践経験も未熟な看護師の離職は、病院を辞めるということだけでなく「看護師そのもの」を辞めてしまうことにもなりかねません。
小規模の病院もしくは施設のほうが、病床数の多い職場よりも離職は目に見えて違っています。
それはなぜなんでしょうか。
新人看護研修プログラムも職場によって方法時間・指導する人のスキルの違い、考え方も全然違うものです。ですから、合う、合わないもあって当然です。しかし、「教えてもらう。」という意識でいるなら、どこでプログラムを受けたところで何も変わりません。自分が与えられた職場で、どのように成長してゆくかは自分次第です。確かに与えられた職場環境や教育方針は一年目の看護師にとってかなり重要です。サポート体制がないと仕事はできません。
ですから自分で調べて、見て、考えて就職先を決める。時にはネットを使用し、少し情報として知っておくこともいいかもしれません。
決定する権利は自分にあります。もちろん離職する権利も同じです。自己決定することで、自分で選んできたんだからしょうがない。じゃあここで自分は何ができるだろう。と考え前に進んでいくことができます。
回答病院数  常勤離職率    新卒離職率
  ~199床    12.3%    13.9%
100~199床    12.2%    10.1%
200~299床    11.4%     8.4%
300~399床    11.0%     8.0%
400~499床    10.2%     7.8%
500床以上
10.2%      7.0%
公益社団法人日本看護協会調査 対象:全国の病院8,469施設 有効回答3,549施設

教育現場と実際の現場とのギャップに苦しむ新人たち

新人看護師の多くが入職してから苦労することの1つに、教育で学んできたことと実際の現場とのギャップがあります。前述した看護協会における離職率の調査でも、新卒の看護師が離職する理由として学校での教育と現場のギャップをあげています。

また、新人の看護師は1つのミスや失敗を必要以上に重く受け止める傾向にあり、

「失敗」→「向いてない」→「辞めたい」

という感情に陥りやすい傾向もあります。当然ながらミスは医療事故に繋がる可能性があるため、容認できることではないかもしれません。

しかし、ミスや失敗をせずに一人前の看護師になった人がどれだけいるでしょうか?

ミスや失敗は繰り返さないことに意味があります。インシデントを起こしてしまったなら、再発を防止するための努力を個人としても組織としても取り組むべきことです。大切なのは向き不向きの判断ではなく、失敗から学ぶことなのです。人生でもそうですよね。

せっかく頑張って取った資格。いろいろな人に助けられて合格し、就職しました。会社(病院等)につぶされてたまるか!!と一年頑張ってみてください。新人が履いてきたとき、やっと自分の成長と価値を感じられるようになります。

一年無理なら「一か月。一か月頑張れたから、三か月頑張ってみよう。」「三か月頑張れた。半年頑張ってみるか。」「半年たって夜勤もあるし。任されることが多くなった。」気づいたらもう年越し。あっという間の一年なんです。

「怒られた」と受けとめるか「教えられた」ととるか

新人看護師にとって入職してからの日々は怒涛のような毎日です。あっという間に時間が過ぎ、あれもまだ。これもまだかくにんできてないし・・・。」学ぶべきことも多く、業務も多岐にわたり、ときには先輩に叱られることもあるでしょう。そのたびに一喜一憂し、落ち込んでしまう。

そんな日々が続いて、季節は春から夏になり、もはや季節感も感じられないほど必死になるかもしれません。

日々の業務でおきる様々なことに心が揺れ、ときに悔しい思いをするかもしれませんし、涙が出る日もあります。対象にしているのが人間ですから、半端にはできないという責任感からです。

しかし、発想の転換も必要です。

先輩に叱られて「教えてくれている」と受けとめるか、ただ「怒られている」と受けとめるか。そういった受けとめ方1つ、心の持ちようによって現実の受けとめ方も変わります。先輩の叱咤から何を学ぶか。起こしてしまった失敗から何を学び、再び起こさないようにするか。

それは自分次第です。これも練習してゆくことが必要です。今まで親以外の人から、自分が良かれと思って行った行動が、逆に怒られる原因となって、自己否定されるのです。今では両親からもあまり怒られたり、指摘されたという経験のない若い方も多いと思います。

新人看護師が陥りやすい感情として、失敗した時や先輩に叱られた時に「自分は看護師に向いていないのではないか」と思い悩む傾向があります。

その答えは貴方の中にあるのであって、誰も答えを持っていません。

ただ1つ言えることは、

本当に看護師に向いていない人は、「自分は看護師に向いていない」と悩んだりしない人です。つまり、自分が看護師に向いていないと悩むこと自体、例えまだ未熟であっても「看護師」なのです。

真面目がゆえ、看護に熱心なゆえに、患者さんに優しいがゆえに感じてしまうものだと思って、前を向いてください。そしてみんなが通る道です。一人の人員として仕事をしたときに、教えてくれる先輩がいるだけよいのです。先輩は先輩。考え方をちょっと変えて、早く先輩看護師に追いつけ追い越せと努力するしかありません。

応援してます!!